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2年でゆっくり学ぶ基礎クラス

肺の働きについて

今月の基礎クラスは「肺の働き」について学びました。

肺は主に気と呼吸を司り、外邪の侵入を防いだり、水分代謝をしたり、皮膚や鼻や喉などを管理する役割を担っています。

肺の働きのひとつに、宣発・粛降というものがあります。

宣発とは外向き・上向きに動かす作用で、粛降とは下向き・内向きに動かす作用のことを指します。

これらの作用により、余分な水分や濁気を発散したり、営養物を全身へ巡らせたり体内に清気を取り込んだりすることが出来ます。

肺の働きが失調すると、呼吸が浅くなる、咳や痰や鼻水が出やすくなる、皮膚が乾燥する、便秘がちになる・・など他の臓腑にも影響を及ぼすことで様々な症状があらわれてきます。

また、鼻水や痰の状態(色や形状)によっても肺の状態を見ることが出来ます。

それぞれの状態に応じて、肺を温めたり、冷ましたり、潤したりする食材を使い分けることが大切なのだそうです。

講座では肺の働きに必要な食材(肺を潤す食材・肺気を増やす食材・咳止めと痰を解消する食材)と中薬についてもお話がありました。

 

〈今月の薬膳料理〉

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    ☆さつま芋と南瓜のごはん
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    ☆山芋と豚ひき肉と黄精の炒め物
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    ☆昆布と大根と桔梗のスープ
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    ☆煮りんご

 

〈受講後の感想〉

咳や鼻水などの症状が長引くと、まず体を温めることばかり考えてしまいますが、実際は温めたり冷ましたり潤いを与えたりと、状態によって対処法が変わるということが興味深かったです。

乾燥が気になり始める季節なので、肺に潤いを与えると同時に気を補ったり巡りを良くする食材を取り入れながら養生していきたいと感じました。

秋の養生・中薬

今月の基礎クラスは、秋の養生・中薬について学びました。

秋の特徴は「燥」です。

体を乾燥させたり体に必要な水分を消耗させたりします。

そのため秋になると特に喉・鼻・肺・皮膚などの乾燥による不調があらわれやすくなります。

空気が乾燥すると肺が乾燥しやすくなり、空咳が多く出るようになります。

体に必要な水分まで消耗することにより、例えば涙が減少して目が乾きやすくなることもあります。

このような特徴から、秋は乾燥対策として主に肺を潤す食材や、消耗した水分を補う作用のある食材(主に果物や甘酸っぱいもの)を積極的に取るようにします。

また、夏の暑さや疲れを取りながら冬に向けての体力づくりをする為にも、体を冷やす食材と温める食材とをうまく使い分けながら、気を補う食材をあわせていくことも必要だそうです。

講義では秋に必要な食材(肺を潤す食材・気を補う食材・咳や痰によい食材など)についてもお話がありました。

 

〈中薬について〉

中薬とは体に直接取り入れることが出来て、なおかつ薬効が強いもののことを言います。

植物の根・茎・葉・花、虫や動物の骨なども中薬として使われます。

また、薬効が高く食材としても美味しく食べることが出来るものを食薬と言い、身近なものとしてはクコの実や生姜などがあります。

中薬は長時間煮出す必要があるものばかりではなく、お湯を注いでお茶のように手軽に飲めるものもありますし、料理に直接入れたり薬膳調味料や薬酒としても使えるので、日常にも取り入れやすいと感じました。 

〈今月の薬膳料理〉

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    ☆秋刀魚のソテー・キノコソース
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    ☆黒豆と里芋のご飯
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    ☆秋の白和え
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    ☆梨と白きくらげの薬膳デザート

 

〈受講後の感想〉

秋刀魚のソテーに合わせたキノコソースには、陳皮・アーモンド・黒酢等が入っていて爽やかなお味で食感も楽しめました。陳皮には咳を鎮めたり痰を切る効能があるそうです。

黒豆と里芋のご飯は、シンプルなのにこんなにおいしいなんて!と驚きの声があがっていました。

秋の白和えは大豆が入っていたのがとても新鮮で、薬膳デザートは肺もお肌も潤って大満足でした。

秋は乾燥しやすいので、単純に潤いを与えてくれる食べ物を取り入れれば良いと思っていましたが、実際には滋陰のものを取り入れると同時に生津・補気・補血を心がけることも大切だと学びました。

冬を元気に過ごすためにも秋の過ごし方は重要なので、講義で教えていただいた中薬の活用法も実践しながら養生を心がけていきたいです。

心の働き

今月の基礎クラスは五臓のひとつである「心」の働きについて学びました。

初めて薬膳を学ぶ人にとって中医学はなかなか理解が難しいところもありますが、五臓は誰にとっても身近な存在なので自然と興味がわいてきます。

心にはいくつかの役割がありますが、特に大きな特徴として全身に血を巡らせることと精神活動を行うことの二つがあります。

本来、心には全身のすみずみまで血を滞りなく流し、健康な血管を保つ作用がありますが、、加齢や過労、ストレス、食生活の乱れなど様々な理由により、心気が不足したり、血が不足したり、熱がこもったりすると結果として動悸やイライラ、不眠などの不調があらわれるようになるそうです。

また夏は特に心に熱がこもりやすくなります。
熱を清めてくれる食材を上手に取り入れることはもちろん、早寝早起きを心がけ、適度に体を動かし汗をかくことで体内の陽気をうまく発散させることが大切です。

逆に過剰な発汗もまた注意が必要です。体に必要な潤いまで奪ってしまい、気や血の消耗にもつながるからです。

これらのことをふまえて、気と血を補い血の流れを良くしながら、心にこもった熱を冷まし精神を穏やかに整える薬膳をいただきました。

 

〈今月の薬膳料理〉

  • 丹参と青梗菜の入ったハツの炒め物酢豚風
    ☆丹参と青梗菜の入ったハツの炒め物酢豚風 (生薬:丹参)
  • 苦瓜と大根の梅あえ
    ☆苦瓜と大根の梅あえ
  • トマトのスタミナ素麺
    ☆トマトのスタミナ素麺
  • 五味子のゼリー
    ☆五味子のゼリー (生薬:五味子)

 

〈受講後の感想〉

今月は心の失調を整えてくれる食材がふんだんに盛り込まれていて、皆さんあっという間に完食されていました。
特にトマトのスタミナ素麺には、清熱作用のあるトマトや心身を安定させてくれる小麦粉や卵などが含まれているので、イライラしがちな暑い時期にはぴったりだと思いました。

個人的には両親が循環器系の病気を患っているため、日頃からカロリーや塩分には気をつけた食事を心がけているのですが、多くの情報に流されているうちに段々と正解が見えなくなり、食材選びや味付けが単調化していました。

教室で学んだ食材や生薬の効能についての知識、食材の組み合わせ方、お料理の味付けなど、新鮮な発見がいくつもあってとても勉強になりました。
日々の生活に少しずつ取り入れながら、心身ともに健康な状態で過ごしていきたいと思います。

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